経営ブログ 業界の構造分析

今回のブログは、私の心境を綴るので、ですます調は控えて書かせて頂く。

連日、大手の脱毛業界のニュースが目に入る。従業員への給与の未払い、返金トラブル、経営していると思われていた人が経営に携わっていなかった、等の複数の不祥事が起きている。

私は、これらの大手の出来事は今後続出してくると予期している。

まずはどういったメカニズムで問題が起きたのか、個人的な観点から解説したいと思う。

結論から述べると「コース料金」、所謂「前受け金」を頂き、経営者がお金があると錯覚し、規模を広げすぎたことが原因と考えている。

一般的に大手の料金体系はコースで組まされることが多い。都度払いもあるが1回あたりの単価が割高なため、ユーザーは必然とコースで組むことになる。ユーザーがコースで組むことで、お店側には一時的にまとまったキャッシュが手に入る。この「一時的にまとまったキャッシュが入る」ことがポイントだ。

お店側はコース料金を頂くことで経営が安定する。そのお金を、家賃、人件費、広告費に回すことができるからだ、また精神的にも安堵する。そして多くの経営者が味を占め、あの手この手を尽くし、コースで組ませようとする。そして得たお金で多店舗展開を行う。これがこの業界のよくあるパターンである。

しかし店の規模を一度広げてしまうと、コロナのようなものが現れたときに維持することは困難だ。そうなると、払うべき固定費を新規の前受け金で補填し続けなければならなくなってしまう。所謂自転車操業というものだ。

この状態になってしまったら、常に広告せざるを得ない状況になり、大きくなった規模を保つため、他の新規の前受け金で保とうとするのだ。しかしこれはキャッシュアウトするまで時間の問題であろう。

そして限界が近づいた時に、突然経営者が変わる。その後、従業員への給与の未払い、返金のトラブルの問題が浮き彫りになる。

つまり「前受け金」を頂き、お金があると錯覚することが原因と考える。結果、多店舗展開の弊害で、家賃や人件費を払えなくなり破綻する。これが本質的な原因と私はそう考えている。

私は何もコースや多店舗展開を否定しているわけではない。経営者が「錯覚しないこと」が重要だと強く感じている。

これからは、大手から個人の時代に流れると予期する。その中で前例から学び、脱毛という素晴らしいコンテンツを多くの方に届けたいと考えている。

以上